家のこと

【実体験】高気密・高断熱住宅に住んでみて分かったメリット・デメリット

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住宅を購入するまでの2年間、自分にとって最適な家はどんな家なのかを調べつくして出た答えが、高気密・高断熱住宅に住むことでした。2023年2月にようやく家が完成、1年以上経って春夏秋冬をひと通り経験しました。実家の建て替えという事もあり二世帯住宅なので、高性能住宅に住みたいと思ったきっかけに加えて、高齢者の視点からも高気密・高断熱住宅のメリット・デメリットをお話したいと思います!

高気密・高断熱住宅に住みたいと思った理由

高気密・高断熱住宅に住みたいと思った理由は、

  1. 小さい子供がいるので家の中は快適な状態で育てたい
  2. 高齢者と一緒に住むので温度変化が少なく体に負担がかからない家にしたい
  3. 設備を買うのではなくを買いたい

の3つでした。

① 小さい子供がいるので家の中は快適な状態で育てたい

以前住んでいた家は、断熱・気密などは全くと言っていいほど考えられていない住宅で、夏は寝苦しく、エアコンをつけると寝冷えしてしまい、冬はエアコンはほぼ効かず、白い息が出るほど冷え切ってしまい、朝起きるもの億劫でした。

「子供をこんな劣悪環境で育てるのはイヤだ!」と思ったのが、1つ目の高気密・高断熱住宅を購入したいと思ったキッカケでした。

② 高齢者と一緒に住むので温度変化が少なく体に負担がかからない家にしたい

高気密・高断熱住宅を調べていくと、高齢者にも優しいことが分かってきました。それは、特に冬になると起きやすくなるヒートショックのリスクを軽減できるということです。

ヒートショックとは、寒暖差によって血圧が急上昇・急降下することにより、血管や心臓に大きな負担がかかることを指します。ヒートショックが発生すると、意識喪失や脳梗塞、心筋梗塞などが発生しやすくなり、死亡に至ることもあります。とくに、浴室内での発生は、溺水に繋がる可能性があるため注意が必要です。

長野県後期高齢者医療広域連合

以前の家では、

お風呂に入る前に湯たんぽを入れておく脱衣所で寒い思いをしながら服を脱ぐ熱い風呂でゆっくりあったまる寒い脱衣所で急いで服を着る湯冷めする前に布団に入る

という、あまりにも過酷なルーティーンでした。。。

調べると、布団の中は温かくても部屋の空気は冷たいので、寝ている間も体には負担がかかっているとのこと。

「高齢者をこんな劣悪環境に住んでもらう訳にはいかない!」と思ったのが、2つ目の高気密・高断熱住宅を購入したいと思ったキッカケでした。

③ 設備を買うのではなく家を買いたい

3つ目の理由は、1つ目、2つ目の問題を解決するために、設備に頼る家にしたくなかったからです。あくまで私の考えですが、暑い・寒いを解決するのに各部屋にエアコン、全館空調、床暖房、加湿器など設備(家電)に頼って解決するのではなく、最低限の設備で家自体が快適な環境を作ってくれるのが理想で、それこそが「家を買う」という事だと考えました。

そもそも高気密・高断熱住宅とは?

高気密・高断熱住宅の明確な定義はないので、ChatGPTくんに聞いてみました!笑

高気密・高断熱住宅とは、建物の隙間を極力減らし、断熱性能を高めることで、室内の温度を快適に保ち、省エネルギーを実現する住宅のことを指します。

気密性能: 住宅全体の隙間面積を極力減らし、外気の出入りを抑える。日本ではC値(隙間相当面積)が用いられ、C値が低いほど高気密とされ、0.5 cm²/m²以下が目安。

断熱性能: 高性能な断熱材を使用し、壁、床、屋根などをしっかりと断熱し、窓は断熱性能の高い窓(複層ガラスやトリプルガラス、Low-Eガラスなど)を使用。また、構造材を通じて熱が伝わりにくい設計(熱橋対策)を施す必要がある。Ua値は、住宅全体の断熱性能を示す指標で、値が小さいほど高断熱。0.46 W/m²K以下が目安。

ChatGPT 4o(一部文章を改変)

とのことです。

ところがこれらの両方の数値を明確に公表しているハウスメーカーはなかなかないんです。断熱性能は設計時に決まるので公表する会社も多いのですが、気密性能は実際に家を建ててから計測する必要がある(計測にも費用がかかる)ため、なかなか打ち出せないのかもしれません。

私の家の場合は、C値0.1 cm²/m²Ua値0.26W/m²Kで建てていただきました。

写真は気密測定(C値の測定)を実際にやっていただいた際にでた結果です。赤丸の部分がC値です。

高気密・高断熱住宅のメリット

① なんといっても快適

高気密・高断熱住宅は、一年を通じて室内の温度が快適に保たれるのが最大の魅力です!暑い夏でもエアコンの効きが良く、寒い冬でも暖房がしっかり効きます。

私の家の場合は、1階と2階に6畳用のエアコンが1台ずつ設置してあり、それ以外で温度調整する設備はありません。

温度のムラが少なく、どの部屋も快適です。詳しくは別の記事で書きますが、夏と冬の室温と外気温の一例を載せておきます!

2024年6月14日 13:35
室温23.2℃/外気温36.6℃エアコン23℃除湿設定
窓から日差しが入る日は部屋が熱くるので、

冷房もしくは除湿設定で調整。

2023年2月4日 7:08
室温24.8℃/外気温-0.7℃/暖房なし。
外気温に関係なく日差しが入れば暖房はつけなくても、
各部屋25℃前後になります。

② 電気代が割安

高気密・高断熱住宅は、エネルギー効率が非常に高いので、エアコンや暖房にかかる電気代が大幅に節約できます。

私の家は二世帯住宅でオール電化、太陽光パネル4kw、蓄電池なしです。東京電力のスマートライフLというプラン(契約電力12kVA)ですが、概ね16,000円〜18,000円です。一世帯あたりになおすと、8,000円から9,000円で、さらに毎月売電収入が3,000円〜5,000円前後あります。

毎月の電気代

毎月の売電実績

③ 室内で着る衣類が減った

室内が常に快適な温度に保たれるので、季節によって厚着や薄着をする必要がなくなります。特に冬場でも、厚手のセーターやコートを室内で着る必要がなく、真冬でも靴下不要です。軽装で過ごせるのが嬉しいポイントです。

これにより、衣類の管理が楽になり、洗濯物も減ります。日常生活が快適になるだけでなく、時間と手間も節約できることが分かりました!

④ 羽毛布団など布団類が減った

高気密・高断熱住宅では、夜間の室温も一定に保たれるため、重い羽毛布団や追加の毛布を使う必要がなくなります。軽い掛け布団一枚で十分な暖かさを感じることができ、寝心地も向上します。うちの子供は真冬でも長袖の薄手のパジャマ+タオルケットで爆睡しています!笑

⑤ 収納が増えた

衣類や寝具の入れ替えが少なくなり、収納スペースを有効活用できるようになります。間取りを考えているときは、本当にこれで収納が足りるのかと心配になりましたが、大きな布団や冬物の厚手衣類を収納するスペースが不要になるため、クローゼットや押し入れが広く使えます。

⑥ 室温が一定なので食材の管理がしやすい

高気密・高断熱住宅では、室内の温度が一定に保たれるため、特に常温保存が必要な食材を安心して保管することができます!

特に驚いたのは「はちみつ」です。以前の家では冬キッチンに置いておいた「はちみつ」が固まって、使うたびに湯せんしてましたが、その必要が一切ありません。とても地味な喜びではありますが。笑

⑦ お風呂が冷めにくい

高気密・高断熱住宅では、お風呂の湯が冷めにくいのも大きなメリットです。
外気温に影響されにくいため、長時間お湯が温かいままなので、家族全員がゆっくりとお風呂に入ることができます。また、水温が下がっても室温に近い水温追い炊きの回数・時間も減り、電気代の節約にもつながっています。

⑧ 今まで必須だった家電が不要になった

高気密・高断熱住宅では、ストーブ、布団乾燥機、電気毛布などの暖房器具が不要です。家電の購入、メンテナンス費がかからないのと、そもそもその分の光熱費がうくので節約できます。また、家電が少なくなることで、室内が広く使えるようになりました!

⑨ 外出が億劫にならない

これは意外と思われるかもしれませんが、家に帰れば快適」と言う意識が高くなるため、逆に外に行きたくなりアクティブな生活を送ることができます。快適な住環境が整っていることで、生活全体の質が向上し、日常の活動範囲も広がったと実感しています!

⑩ 睡眠の質が向上

温度が一定なので、布団に入ったあと朝まで同じ温度で寝ることができます。寒くて目が覚める、暑くて寝れないという事がなくなったことで、睡眠時間が長くなり質が間違いなく向上しました!

高気密・高断熱住宅のデメリット

① 初期コストが高い

高気密・高断熱住宅の場合、断熱材や気密シート、高性能な窓やドアなど、質の高い素材や技術を使用するため、建築費用が通常の住宅よりも高額になります。また、設計や施工にも専門的な知識と技術が必要で、そのためのコストも高くなります。

② 雨の音が聞こえない

高気密・高断熱住宅の場合、付加断熱といって外壁が分厚くなり、断熱材も多くしようするため、屋外の音が聞こえにくくなります。特に窓の外を見ずに外出しようとしたら雨が降っていたという事が何度かありました。が、傘をさせばよいだけなので、ほとんど問題ありません!

③ 夏の温度管理が若干難しい(冬より)

冬の温度管理はとても簡単で、外気温な関わらず普通に生活しているだけで、どの部屋も22℃を下回ることはまずありません。日差しが入れば、エアコン無しで25℃になるため、温度調整はほぼ必要ありません。

ただ、夏の場合は日差しが入ると28℃〜30℃になるので、3℃〜5℃エアコンで調整する必要があります。この点、適温を維持するためには夏の方が少し手間がかかります。

④ 外に出ないと寒さが分からない

夏は室内も屋外も半袖なので良いのですが、屋内は冬でも半袖なのでゴミ捨ての時など、そのまま外に出ようとしてしまうことが何度かありました。。笑
玄関のそばにコートやジャンパーをかけられる場所を設けて解決できましたが、慣れるまで少し時間がかかりました。。。

まとめ

高気密・高断熱住宅は海外(特にドイツ)では当たり前にも関わらず、日本はようやく断熱等級が見直されたようです(日本の方が気候が悪いにも関わらず、、、)。今までの日本基準では、ドイツでは違法建築?になってしまうほど性能が悪いとのこと。日本でも高気密・高断熱住宅が当たり前になって、デメリットである初期コストの高さが解決されることを祈っています。。高い時に買った私、、住宅ローン返済頑張ります。涙

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